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教育
Education
教育
Educational policy
教育方針
高い倫理性、科学的客観性をもった臨床統計家の育成を目的としています
臨床統計家育成コースは、以下のディプロマ・ポリシーにしたがって教育活動を行っています
臨床研究の科学的な質を保つために必要な統計学基礎および臨床統計学を修めること。
特に「臨床試験のための統計的原則(ICH E9ガイドライン)」について十分に理解すること
病院での臨床研究に関する実地研修を通じて、統計解析、データマネジメント等の実務を経験し、
臨床統計家に求められる技術に習熟すること
臨床研究の倫理的な質を保つために必要な知識・態度を身につけること。
特に日本計量生物学会作成の「統計家の行動基準」について十分に理解すること
海外のSPHの教育内容を日本の大学院と比較すると、カリキュラムに大きな違いはないものの、教科書・コースワークの内容と充実度合いに優れている面があります。国際標準の教育を提供するため、本コースでは教科書・コースワークを重視しています。
For introduction
これから統計学を学ばれる方へ
統計学の教科書や教材を選ぶとき大切なのは、どのくらい難しいものが自分にあっているかを見極めることです。統計検定 がそのための目安になりますので、ぜひ活用してください。統計検定の試験には、難易度によって1級~4級が設定されています。大まかにいって小学5年~中学生は4級、高校生~文系大学生は3級、理系大学生は2級の取得を目指すのがよいでしょう。統計を独学したい方は、問題の質がとても高いので統計検定をペースメーカーにすることをお奨めします。
統計検定
Japan Statistical Society Certificate
「統計検定」は、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。詳しくはこちら。
また、大学レベルの統計学の教科書は、おおむね統計検定2級に相当しており、確率分布から回帰分析・分散分析までを扱うことが標準的です。広く用いられている教科書を挙げますが、もちろんこの2冊以外に良書はたくさんあります。
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統計学入門
東京大学教養学部統計学教室(編)
東京:東京大学出版会1991
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入門統計解析
倉田博史, 星野崇宏
東京:新世社2009
For master students
大学院修士の方へ
大学院に入ると、研究分野によって学ぶべき内容が異なります。教科書もそれに応じて選ぶことになりますが、確率論、線型代数、微分積分の理解を前提にして書かれている場合もあります。臨床統計家育成コースでは、一般化線型モデル、因果推論、理論疫学、生存時間解析、サンプルサイズ設計、臨床試験デザイン、メタアナリシスなどの科目を設けています。それぞれの科目の教科書のうち、読みやすいものは以下の通りです。
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医学研究のための因果推論I 一般化線型モデル
田中司朗
東京:朝倉書店2022
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医学研究のための因果推論II Rubin因果モデル
田中司朗
東京:朝倉書店2022
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入門統計的因果推論
Pearl J, Glymour M, Jewell NP
東京:朝倉書店2019
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ロスマンの疫学 科学的思考への誘い.
Rothman K.
東京:篠原出版新社2013
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これからの薬剤疫学―リアルワールドデータからエビデンスを創る―
佐藤俊哉, 山口拓洋, 石黒智恵子(編)
東京:朝倉書店2021
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医薬統計のための生存時間データ解析 原著第2版
Collett D.
東京:共立出版2013
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医学のためのサンプルサイズ設計
Machin D, Campbell MJ, Tan SB, Tan SH.
京都:京都大学学術出版会2022
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クリニカルトライアル
―よりよい臨床試験を志す人たちへPocock SJ.
東京:篠原出版1989
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米国SWOGに学ぶがん臨床試験の実践
第2版(原書第3版)Green J, Benedetti J, Smith A, Crowley J.
東京:医学書院2013
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新版メタ・アナリシス入門
-エビデンスの統合をめざす統計手法-丹後俊郎
東京:朝倉書店2016
For doctoral students
大学院博士の方へ
博士課程の目標は学位論文を書くことです。そのため、たくさんの論文を読むことが求められますし、教科書も研究者向けに書かれています。既に紹介した修士レベルの教科書より、高度な内容を扱った専門書の一部を挙げておきます。
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Causal Inference for Statistics, Social, and Biomedical Sciences: An Introduction, 1st ed.
Imbens GW, Rudin DB.
Cambridge: Cambridge University Press2015
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Explanation in Causal Inference: Methods for Mediation and Interaction
VanderWeele TJ.
Oxford: Oxford University Press2015
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Modern Epidemiology, 4th ed.
Lash TL, VanderWeele TJ, Haneuse S, Rothman KJ.
Baltimore: Lippincott Williams & Wilkins2020
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Applied Longitudinal Analysis, 2nd ed.
Fitzmaurice GM, Laird NM, Ware JH.
Hoboken:John Wiley & Sons2011
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The Statistical Analysis of Failure Time Data, 2nd ed.
Kalbfleisch JD, Prentice RL.
Hoboken: John Wiley & Sons2002
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Statistical Methods in Medical Research, 4th ed.
Armitage A, Berry G, Matthews JNS.
Hoboken: Wiley-Blackwell2001
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Asymptotic Statistics
van der Vaart AW.
Cambridge: Cambridge University Press2000
About e-learning
e-learningコース概要
本コースでは、京都大学の質の高い講義をe-learningコンテンツとして配信しています。このページでは、臨床統計について知りたい方のための様々なe-learningコンテンツを紹介します。統計学の基礎を学びたい方、医学論文を正しく読み解きたい方、臨床試験やサンプルサイズ計算を学びたい方、大学院の講義を体験したい方は、是非ご利用ください。
01
エレベータのブザーは鳴るか
―大学生のための統計学入門
この聴講コースは、「統計で容疑を晴らす」、「エレベータのブザーは鳴るか」、「地球の大きさを測る」といったストーリーを基に、全4回にわたって、統計学の基本について解説します(高校数学I「データの分析」をカバーしており、高校数学B「確率分布と統計的な推測」の一部を含みます)。
外部サイトで受講する-
受講対象者
高校生~大学生向け
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到達目標
記述統計学を理解する
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キーワード
データの要約
代表的なグラフ
確率分布
2変量の関連
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構成
全4回
02
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受講対象者
高校生~大学生向け
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到達目標
医療統計学を学ぶ
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キーワード
率・比・割合
感度・特異度
疫学
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構成
全6回
03
臨床研究者のための生物統計学
この聴講コースは、ランダム化やP値といった基本から傾向スコア等実践的な内容まで、全10回にわたって、臨床研究に必要な生物統計の考え方をわかりやすく解析します。
外部サイトで受講する-
受講対象者
医療関係者向け
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到達目標
臨床研究に必要な生物統計学の知識を得る
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キーワード
ランダム化
P値
生存時間解析
メタアナリシス
倫理
データマネジメント
交絡
傾向スコア
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構成
全10回
04
オオサンショウウオ先生の
医療統計セミナー
この聴講コースでは、臨床試験・メタアナリシス・疫学研究の方法論について、体系的に学べます。教材として、リツキシマブ臨床試験、抗凝固薬メタアナリシス、受動喫煙コホート研究の英語論文を取扱います。
外部サイトで受講する-
受講対象者
医療関係者向け
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到達目標
臨床試験・メタアナリシス・疫学研究の方法論とその原理を理解し、医学論文を正しく解釈できるようになる
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キーワード
臨床試験
メタアナリシス
疫学研究
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構成
全16回(論文読解、問題演習教材を提供)
05
医学のための因果推論
この聴講コースは、医学のための因果推論(causal inference)の基礎概念と手法について、理論的な視点から学びます。2022年に出版された「医学のための因果推論Ⅰ」、「医学のための因果推論Ⅱ」の教科書を併用することで、学習のサポートとしてもご利用いただけます。
外部サイトで受講する-
受講対象者
コース学生・研究者向け
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到達目標
医学のための因果推論の基礎概念と統計手法を理解する
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キーワード
Simpsonのパラドックス
一般化線型モデル
Rubin因果モデル
プロペンシティスコア
周辺構造モデル
構造平均モデル
操作変数法
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構成
全4回(講義動画で用いたSASプログラムの一部、過去のセミナー資料を提供)
06
臨床試験特別ショートコース
この聴講コースは、本コースが主催し、2019年度京都大学SPHの特別ショートコースとして、Ian Roberts教授(ロンドン大学衛生学・熱帯医学大学院)を招いて開催しました。
外部サイトで受講する-
受講対象者
コース学生・研究者向け
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到達目標
大規模臨床試験によってどのようにdisease burdenを減らすことができるか英国の実例から学ぶ
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キーワード
大規模ランダム化臨床試験
CRASH-3 trial
disease burden
メタアナリシスの限界
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構成
全5回